ウォーミングアップ

先月、佐渡市中学校体育連盟という団体から講演の依頼があり、昨日サンテラで講師を務めて参りました。
約1時間半の公演時間でしたが参加された教育関係者の方々が熱心に話を聞いてくれたので、こちらも熱が入りました。

テーマが『近年のスポーツ選手に多い障害における予防法』という事でしたので、
①正しい靴の履き方と浮き指の弊害
②ウォーミングアップ
③成長痛
について話をしました。

①と③はここのブログにも載せましたが②はまだでしたので、参加者の復習も兼ねて書いていきたいと思います。

怪我を予防するにはウォーミングアップは大切です。しかし部活動では限られた時間の中で色々なメニューをこなさないといけないので、ウォーミングアップを簡単に済ましてしまう傾向にあります。
ウォーミングアップはしっかりやってもらいたいですが、ただ単に時間をかければ良いという訳でもありません。ウォーミングアップも昔と考え方が変わっていて、間違った方法で行っても怪我の防止には繋がりません。
今では「練習前にマッサージやストレッチを行ってはいけない」というのが常識になっています。

えええええええええーーーーーーーって感じですよね。

私も学生のころは練習前にストレッチをしないと怪我をすると教わり、当たり前の様に連帯運動でストレッチを行っていました。でもそのストレッチ、今では運動前にしてはいけないというのです。

ストレッチやマッサージは気持ちいいものですよね。そうなると体はリラックスします。リラックス状態とは筋肉の張力が失われて緩々になるという事です。
これから競技を行うのに筋力が失われては、力を存分に発揮させることが出来なくなってしまいます。
例えるなら寝起きにいきなりダッシュさせるようなものです。
以上の理由から練習前にマッサージやストレッチを行ってはいけないのです。運動前は(肉体的には)興奮状態が望ましいのです。

ストレッチといっても伸ばした姿勢で動く、動的ストレッチならOKです(ダイナミックストレッチ)

ではウォーミングアップは何をしたら良いのか?
動的ストレッチ、ランニングはいいと思います。それに加えてそれぞれの競技で行う動作を想定して、その動きに似た動作を3割程度のパフォーマンスで行うのが良いでしょう。
野球ならキャッチボールや素振り、バドミントンなら基礎打ち、バスケならシュートの動きを3割くらいに抑えて。
「今からこんな動きをしますよー」と筋肉を呼び覚ます行いが正しいウォーミングアップなのです。