佐渡では民話の里として広く知られている赤泊地区。昔から赤泊地区の人々に親しまれている、7つの民話の舞台を巡るプランをご紹介します。
目的地A
川茂の太郎杉~太郎杉と村の娘の悲しい恋の物語~
村の娘に恋をした太郎杉は若者の姿となり、娘と逢瀬を重ね娘に種子を宿した。やがて太郎杉は伐採されるが、幹があまりにも巨大なため佐渡のきこりだけでは手に負えず、能登から来たきこりの助けも借り、半年がかりでようやく伐採された。その後娘の体から出た種子は杉の木に育ち、川茂は杉の産地として栄えた。当時の太郎杉の切り株は、現在見学できるよう太郎杉公園に大切に保存されています。公園のふもとにある五所神社には、現存する川茂杉としては最大級の杉が御神木として大事にされています。
【住所】五所神社 〒952-0701 佐渡市下川茂686 太郎杉公園 〒952-0701 佐渡市下川茂
目的地B
天狗塚の天狗~大天狗と小天狗の厳しい修行~
赤泊の村祭りの日に上州(群馬県)の釈迦山弥勒寺から世に天狗道を広めるため諸国を行脚している大天狗が空を飛んできた。大天狗のもと村人が小天狗になるため、天狗塚での厳しい修業が始まった。厳しい修業により弟子たちはさまざまな術を身に着け、時には空遁の術を使って佐渡一高い「金北山」へもひとっ飛び。天狗たちが金北山参りをするたびに止まって休んだ岩を「天狗岩」と言い、今でも金北山の右手にそびえています。天狗岩にはたくさんの天狗の足跡が残っているという言い伝えが残っています。
【住所】〒952-0711 佐渡市赤泊天狗塚
目的地C
腰細の犬~腰細城主と愛犬夜叉丸の勇姿~
ある日越後の上杉景勝が佐渡へ攻め入った際、三川の腰細城主本三河守高瀬は、羽茂に援軍を送るべく出立した。しかしそれを予知した上杉軍は川茂街道に回して、行く手を阻止した。そのためこの街道が戦場となり、のちに戦道(たたかいどう)と呼ばれるようになった。城主は大切にしていた金の握り観音像が敵軍の手に渡るのを恐れ、愛犬の夜叉丸を使い自らが没したことを羽茂城主に伝えようとしたが、夜叉丸は敵軍の攻撃に遭い道中の滝で力尽きてしまう。今ではここを「犬落の滝」と呼んでいる。
【住所】腰細城エリア 〒952-0705 佐渡市三川 戦道騎馬武者像 〒952-0706 佐渡市徳和
目的地D
東光寺の禅達~ムジナの禅問答~
「禅達」とはこの寺に住んでいたムジナの名前です。ムジナでありながら人の僧に化け、修行を積み、和尚さんから「禅達」という僧号をつけてもらい、禅問答に励んだという。新住職が入山すると好んで禅問答えをしかけ、答えが拙いと寺を追い出したという伝説が残っています。
【住所】〒952-0705 佐渡市三川
目的地E
爪の沢蝶ねえ~あねさんとの約束~
ある日あんちゃんは、美しい蝶を捕まえようとしているうち爪の沢の池に来た。そこには家があり、きれいなあねさん(蝶ねえ)が出てきた。あんちゃんは二人で暮らすのがあまりに楽しく家へ帰らなかった。何年か経ち家に帰りたくなったあんちゃんは「人に知られたら一緒に暮らせなくなる」と引きとめるあねさんに「決して他言しない」と約束し別れを告げる。しかし、帰ると皆から責められ今までのことを話してしまった。その結果蝶の館はなくなり、池には死んだ蝶が無数に浮いていたという。蝶ねえは我々に「約束を守る」ということを伝えているのではないでしょうか。
【住所】〒952-0705 佐渡市三川
目的地F
八専三郎土用五郎~正々堂々の勝負~
昔、赤泊の竹切職人で「八専三郎」という相撲がめっぽう強く、佐渡では相手になる者がいない力持ちの若者がいた。そのうち、三郎は越後一の力持ちである寺泊の井戸掘り職人「土用五郎」と勝負をしようと寺泊に乗り込むが、五郎を見て怖気づき勝負をすることなく逃げ帰ってきた。そして今度は五郎の方から赤泊に勝負をつけにくると聞いた三郎は、落とし穴を作り怪我をさせ、勝負をできなくする。卑怯だと悲しむ母の姿を見て三郎は、正々堂々と勝負することを誓う。その後、毎年春の八専には寺泊で、夏の土用には赤泊で相撲の勝負をするようになった。
【住所】〒952-0711 佐渡市赤泊
目的地G
悲しい佐渡牛~母牛の深い愛情~
佐渡には優秀な佐渡牛を繁殖させるため、雄牛を売って雌牛は島外に出してはいけないという不文律があったが、ある家で跡継ぎに優秀な子牛が生まれたため、母牛を越後に売ってしまう。
越後の浜に下ろされた母牛は子牛恋しさに佐渡を目指して泳ぎ出した。船頭たちは船で追いかけたが逆風のため捕まえることができなかった。
一昼夜泳ぎ続けて帰ってきた母牛は力尽きて大杉地区の浜に沈んだと語り継がれている。
【住所】〒952-0716 佐渡市大杉
目的地H
城の山公園展望台
赤泊城主・本間参河守高瀬が築いたとされる戦国末期の城跡が公園として開放されています。
民話の里・赤泊の展示館でもあり、各階には赤泊村出身の田中足穂氏より制作いただいた、民話の場面を表現した像の原型を展示しています。
5階展望室からは、眼下の赤泊港、越後連山を望み、緑深い背後の山々まで360度の大パノラマを楽しめます。