明治中期の商家を開放 「佐渡民芸館」

佐渡民芸館では、独特の文化や芸能に息づく佐渡ヶ島で、匠達によって生み出された逸品の数々を、一般公開しています。
江戸時代に作られた日本の和家具の代表でもある佐渡船箪笥や衣装箪笥、佐渡鍔(刀の柄と刀身との間にある、手を防御する為の板状の部分)、寺社や船に奉納された絵馬、また、明治時代から作られ続けている佐渡の焼物「無名異焼」など、佐渡ならではの古民具が多数。
さらに、北前船(近世初期から明治時代にかけて、日本海海運で活躍した北国廻船)で運ばれてきた、初期伊万里焼や六古窯(信楽、備前、丹波、越前、瀬戸、常滑)の焼物、中国・朝鮮の焼物など、佐渡島内でも珍しい古美術も間近で見ることができます。
(古美術品の一部を販売もしております。)

佐渡の海水でつくる、手づくりの塩 「塩工房 佐渡風塩釜」
周囲を海に囲まれた佐渡ヶ島では、古代より各地で塩造りが行われていました。
塩に関する遺跡を調べてみると、そのほとんどが旧相川町の西海岸に密集しており、「塩工房 佐渡風塩釜(しおこうぼう さどかざしおがま)」のある夫婦岩周辺でも、塩造りが盛んに行われてきたことがわかりました。
当塩工房の塩造りは、海水を薪で長時間炊き上げ、出来上がった塩の結晶を集めるという、昔ながらの製造方法を復活させたものです。
原料の海水は、夫婦岩近辺の表層水(サザエやワカメ、小魚などがいる、天然ミネラル分が非常に多い海水)を使用しており、風味豊かでまろやかな、甘味のある塩が出来上がります。

佐渡の匠達が生み出した佐渡箪笥
【船箪笥(ふなだんす)】
北前船に積み込まれて使われていた箪笥。携行にも便利なように小型化され、船が難破した際にも壊れないように、外側は堅い欅材と鎧のような鉄金具で保護され、隠し箱が仕込んである等、複雑・精巧な造りとなっています。

【小木箪笥(おぎだんす)】
船箪笥職人が北前船の船頭の依頼で芸者に与える衣装箪笥を造ったのが始まりと言われています。船箪笥の木工と金工の優れた技術による豪華なものが多く、別名「芸者箪笥」とも言われます。

【八幡箪笥(やはただんす)】
起源は江戸中期、佐渡奉行の求めに応じて造られた「物入れ」が最初と言われています。金具は小木箪笥に比べるとやや薄いのですが、箪笥全体に占める割合が大きく、派手で、直線美を生かしためでたい図柄を透かし彫りにしてあります。

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