茜色の器を…
無名異(むみょうい)とは、佐渡金山より産出する鉄分を非常に多く含む鉱物で古来は中風、胃腸病、火傷、止血剤などの漢方薬として使用されていました。この無名異を陶土に用い高温で焼き締めたものが無名異焼です。
無名異土は非常に細かく水簸された絹の様な肌触りですが焼かれた器は堅牢で使う程に光沢を増す特殊な焼物です。
無名異の陶土の色は日本海に沈む夕陽の赤の様な…『茜色』
何故かその赤が物悲しく目に沁みるのです。
まるで流人の島の悲しさや、ほとばしる情熱の色の様な…追いかけても追いつけない悲しい定めの様な色。
いつの日か追いつき、器に反映させたい茜色。
限られた時間の中で彷徨ってみます。
万葉集 額田王
『あかねさす紫野行き標野行き野守は見ずや君が袖振る』
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